無条件かコウか  2003.3.28

1.原題

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┼┼┼○●●○┼●○┼┼┤
┼┼○┼○●●●┼┼○┼┤
┼┼┼┼○┼┼┼●●●○┤
┼┼┼┼┼○┼○○○○○┤
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤

詰碁歳時記(橋本宇太郎著)に鷺として出ている問題です。

実戦的で良い問題と思いますが、詰碁としては判定が難しいところがあります。

2.無条件活きではあるが

解説では18の三の切り(下図の▼)で無条件活きとしていますが、「詰碁研究」で判定すると

「対象領域 17の四 黒先[全点]
着手領域 36/62(3)
勝点(無条件) [13の一] ptnno=39526(19s)
勝点(無条件) [18の三] ptnno=541038(290s)
勝点(無条件) [15の一] ptnno=717116(375s)
勝点(無条件) [18の二] ptnno=913122(480s)
無条件生き
ptnno=1086469(569s) 2003/3/27 22:47」

となり無条件で活きる手が4つもあります。

┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
┼○○●●○┼●○┼┼┤
┼┼○○●●●┼┼○▼┤
┼┼┼○┼┼┼▲▲▲○┤
┼┼┼○○○○○○○○┤
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤

どの手段も▲の3子を犠牲にして活きることになります。

下図の覗いて(▼)継がせる(▽)のは損な手ですがこれでも活きは活きです。

┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
┼┼┼○●●○┼●○┼▼┤
┼┼○┼○●●●┼┼○▽┤
┼┼┼┼○┼┼┼●●●○┤
┼┼┼┼┼○┼○○○○○┤
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤

3.全部の石を活きる手段は

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┼○○▲▲○┼●○┼┼┤
┼┼○○▲▲▲┼┼○┼┤
┼┼┼○┼┼┼▲▲▲○┤
┼┼┼○○○○○○○○┤
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤

上図の▲8子を判定対象(取られると負けの条件)として判定すると

「判定対象 14の三 黒先[全点]
着手領域 31/62(3)
追加判定対象 15の四
無条件勝ちはない ptnno=806316(341s)
勝点(コウ) [18の三] ptnno=1342542(584s)
コウ
ptnno=1365082(595s) 2003/3/27 23:7」

コウではあるが全部の石を助ける手は18の三の切りだけということになります。

したがって正解は[18の三]だけというのも無理があるように思います。

この問題は詰碁というよりどう打つのが最善かという問題として考えた方が良いのかもしれません。